2015/08/17

松皮菱の作図

松皮菱の紋割り方は、既に数年取り組んでいるが、未だに解読不明状態である。理由は三階菱と同様に紋割り図と実際の紋章図とが一致していないのである。 因みに「平安紋鑑」の”松皮菱の割”の解説に「丸の八分一を太さによりて二重の輪を造り上下の分廻をおきて図の通り割り少しせばめて半丸を引き菱を割るなり」と図説付きである。他の紋帳、例えば「紋之泉」「紋の志をり」「図解いろは引 標準紋帖」でも内容も解説図も同じである。また、解説文の掲載はないが「紋章大集成(金園社)」の割り出し方の図も同一である。 さて、紋帳の紋割り方には「菱の割り」と「松皮菱の割り」とが大抵の紋帳に掲載されているが、そもそも菱の形状（高さ）に関して両者を区別していないように思える。ところが、実際の紋章図のページでは両者の形状に区別がある。よって、紋割り図の「松皮菱の割り」と「三階菱の割り」通りに作図すると違和感のある形状になるのだ。 取り敢えず今回は、紋章図の形状から逆算して作図例を示した。従って”松皮菱の割”の解説文の作図方法とは一致していないが、紋帳掲載の「割り出し方の図」をベースに作図(2015.8.15)している。